【高校数学】2次関数のグラフの簡単な書き方【放物線をキレイに見やすく書く裏ワザ】

2次関数のグラフ(放物線)がフリーハンドでうまく書けない・・・

放物線をキレイに見やすく書くのって難しいな〜

2次関数のグラフの簡単な書き方・裏ワザを教えてほしい!

こういった要望に応えます。

 

実は「2次関数のグラフ(放物線)をキレイに見やすく書くスキル」は、

2次関数の問題を解くうえで ものすごく重要 です。

数学において、図を「正確に」「見やすく」書ければ書けるほど問題が解きやすくなる、というのも事実です。

にも関わらず、「キレイで見やすい2次関数のグラフの簡単な書き方」を教えてくれる教師なんてあまりいませんよね?

 

そこで今回は、誰も教えてくれない「キレイで見やすい放物線の簡単な書き方」をレクチャーします!

 

まさに「裏ワザ」とも呼べる、この書き方を実際に私の生徒たちにも教えたところ、

2次関数のグラフを綺麗に見やすく、しかも素早く書くことができるようになりました。

その結果、2次関数の問題でしっかり点を取れる ようになりました。

ぜひあなたもこの方法をマスターしてみてください!

 

2次関数のグラフの簡単な書き方【放物線をキレイに見やすく書く裏ワザ】

2次関数のグラフの簡単な書き方【放物線をキレイに見やすく書く裏ワザ】

それでは、2次関数のグラフを「簡単に」「素早く」「キレイに」書く裏ワザをお教えします。

  1. 平方完成する
  2. 頂点、軸、上or下に凸 を求める
  3. $y$切片を求める
  4. 放物線を書く ← Point!
  5. $y$軸を書く ← Point!
  6. $x$軸を書く ← Point!

前半(ステップ1〜3)は通常の書き方と同じですが、

後半(ステップ4〜6)が いつもと の流れですよね?

(ふつうは $x$軸 → $y$軸 → 放物線 の順番)

 

何てったって今回教えるのは「裏ワザ」ですから。ここが一番の肝となります。

この6ステップにしたがって、2次関数のグラフを一緒に書いてみましょう!

 

【例題】2次関数 $y = x^2 −4 x + 1$ のグラフをかけ。
実際に手を動かしながら読んでいきましょう!

【ステップ1】平方完成する

まずは 平方完成 して「$y = a(x−p)^2 + q$」の形にします。

$ y = x^2 −4 x + 1 $

$ $ $ = (x −2)^2 −4 +1 $

$ $ $ = (x −2)^2 −3 $

「2次関数の平方完成のやり方」をおさらいしたい人はこちら。

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【ステップ2】頂点、軸、上or下に凸 を求める

ステップ1で平方完成すると

頂点」「」「上or下に凸

が分かりますね。

2次関数 $ y = (x −2)^2 −3 $ のグラフは

$ \begin{cases}
頂点 \enspace (2, −3) \\
\\
軸:x = 2  \\
\\
下に凸 \\
\end{cases}$

の放物線。

【ステップ3】$y$切片を求める

$\color{red}{y}$切片 とは「$y$軸との交点の $y$座標」つまり「$x = 0$ となる $y$の値」です。

$y = x^2 −4 x + 1$ において

$x = 0$ のとき $y = 1$

よって、「$y$切片は $1$」と分かります。

つまり、点$(0, 1)$ を通るグラフということですね。

【ステップ4】放物線を書く

さて、ここからが いつもと逆のやり方 です。

書きたいグラフが「上に凸」か「下に凸」か を確認したら、

放物線を 一気に 書きます。

※ あまりゆっくり書いてしまうと、かえって線が歪みやすい

2次関数のグラフのかき方4

放物線をきれいに書くコツ・感覚 は人それぞれなので、

  • 手を机から少し浮かせる
  • 手首を固定する
  • 肘を固定する
  • 腕全体を使って書く
  • 上半身をスライドしながら線をひく
  • 腕の力をほどよく抜く

など、色々試してみてください。

【ステップ5】$y$軸を書く

頂点」と「$\color{red}{y}$切片」の位置を考えながら、

「$y$軸」を書きます。

 

2次関数 $ y = (x −2)^2 −3 $ の場合、

  • 頂点 $(2, −3)$
  • $y$切片:$1$ → 点$(0, 1)$ を通る

ということを考慮すると

2次関数のグラフのかき方5

$y$軸は、だいたいこの辺りになりますね。

もうちょっと細かく説明すると

二次関数のグラフの書き方step5-2

たて:よこ = 4:2 = ②:① くらいの比率になっていればPerfect!(あまりこだわらなくてもOK)

【ステップ6】$x$軸を書く

最後に「$x$軸」を書きます。

ポイントとしては、

$ $ 「$\color{red}{y}$切片」と「頂点の $\color{red}{y}$座標

のバランスを考えて $x$軸 の位置を決定するとGood!

 

今回の場合、

  • $y$切片:$1$
  • 頂点の $y$座標:$−3$

この2点間の距離が

$ $ $1 − ( −3 ) = \color{red}{4} $

なので、$y = −3$ 〜 $1$ の間を 4等分 してから

2次関数のグラフのかき方6-1

$y = 0$ のところに $x$軸 をひきます。

2次関数のグラフのかき方6-2

仕上げに「原点$O$」や「頂点の座標」などを書き込んだら、グラフの完成です!

2次関数のグラフのかき方(完成例)

いかがでしたか? いつもよりキレイで見やすいグラフ が書けたと思いませんか?

なお、「たて:よこ」の比率は問題を解く上ではさほど重要ではないので、あまり気にしなくても大丈夫です。

他のパターンの放物線もやってみて、書き方に慣れていきましょう。

【練習問題】2次関数のグラフを見やすく書こう!

先ほどのグラフの書き方を真似して、見やすいグラフを書く練習をしてみましょう!

【問題】次の2次関数のグラフをかけ。

(1) $ y = x^2 −2x −1 $

(2) $ y = −x^2 + 2x + 2 $

(3) $ y = −x^2 −4x −5 $

(4) $ y = 2x^2 + 2x $

【解答】を見る
【解答】

(1)

(1)解答

(2)

(2)解答

(3)

(3)解答

(4)

(4)解答

グラフを書くまでの過程(解説)はこちら。

【解説】を見る
【解説】

(1) $ y = x^2 −2x −1 $

$ $  $ = ( x −1 )^2 −2 $

∴ $ \begin{cases}
頂点 \enspace (1, −2) \\
\\
軸:x = 1  \\
\\
下に凸 \\
\end{cases}$ の放物線

また、$x = 0$ のとき $y = −1 $

∴ $y$切片:$−1$

(1)解説

(2) $ y = −x^2 + 2x + 2 $

$ $  $ = −( x −1 )^2 + 3 $

∴ $ \begin{cases}
頂点 \enspace (1, 3) \\
\\
軸:x = 1  \\
\\
上に凸 \\
\end{cases}$ の放物線

また、$x = 0$ のとき $y = 2 $

∴ $y$切片:$2$

(2)解説

(3) $ y = −x^2 −4x −5 $

$ $  $ = −( x + 2 )^2 −1 $

∴ $ \begin{cases}
頂点 \enspace (−2, −1) \\
\\
軸:x = −2  \\
\\
上に凸 \\
\end{cases}$ の放物線

また、$x = 0$ のとき $y = −5 $

∴ $y$切片:$−5$

(3)解説

(4) $ y = 2x^2 + 2x $

$ $  $ \displaystyle { = 2 \left( x + {1 \over 2} \right)^2 −{1 \over 2} } $

∴ $ \begin{cases}
\displaystyle { 頂点 \enspace \left(−{1 \over 2} , −{1 \over 2} \right) } \\
\\
\displaystyle { 軸:x = −{1 \over 2} }   \\
\\
下に凸 \\
\end{cases}$ の放物線

また、$x = 0$ のとき $y = 0 $

∴ $y$切片:$0$ → 原点$O$ を通る

(4)解説

【まとめ】2次関数のグラフの簡単な書き方(裏ワザ)

今回は、2次関数のグラフを「簡単に」「素早く」「キレイに」書く裏ワザを紹介しました。

  1. 平方完成する
  2. 頂点、軸、上or下に凸 を求める
  3. $y$切片を求める
  4. 放物線を書く
  5. $y$軸を書く
  6. $x$軸を書く

ぜひ2次関数の問題を解くときに大いに役立ててください!

質問・要望があれば気軽にコメントください👍

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$ $ $ \displaystyle { y = \left( x + {5 \over 2} \right)^2 − {13 \over 4} } $

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