【高校数学】√を含む数の「整数部分をa、小数部分をbとするとき〜」の解き方をわかりやすく解説!

√(ルート)を含む数の「整数部分をa、小数部分をbとするとき〜」の問題の解き方をわかりやすく教えてほしい!

そもそも√の数の整数部分、小数部分ってのがイマイチ分からない・・・

どうやって考えたら解けるようになるの?

こういった疑問・要望にこたえます。

 

このページを読めば、

$ \displaystyle{ 1 \over 2 − \sqrt{3} } $ の整数部分をa小数部分をbとするとき、$a^2+2ab+3b^2$ の値を求めよ。

のようなパターンの問題を迷うことなくスラスラ解けるようになります。

 

目次

√の数の整数部分・小数部分とは?

√の数の整数部分・小数部分とは?

まずは、√(ルート)の数の整数部分・小数部分 のおさらいです。

【例題1-1】$ \sqrt{7}$ の整数部分、小数部分を求めよ。

もし $ \sqrt{7} = \color{red}{2}.\color{blue}{645 ⋯ } $ という近似値を覚えていれば、

・整数部分は $ \color{red}{2}$

・小数部分は $ \sqrt{7} − \color{red}{2}$

($ = \color{red}{2}.\color{blue}{645 ⋯ } − \color{red}{2} = 0. \color{blue}{645 ⋯ } $)

であっさり終わりです。

ですが、例えば $ \sqrt{19} $ とかになると、ほとんどの人は覚えてないですよね?

なので、次のやり方をマスターしておきましょう。

 

まず「$ \sqrt{7}$」を2乗した形「$7$」で考えます。

$○^2<7<□^2$ となるような数ではさむと

$○<\sqrt{7}<□$ と分かりますね。

【解答】

$4<7<9$ より

$ \sqrt{4}<\sqrt{7}<\sqrt{9} $

∴ $ 2<\sqrt{7}<3 $

$ \sqrt{7}$ が $2$ と $3$ の間にあることが分かりました。

これを 数直線で表す と

√7

こんな感じなので、

$ $ $ \sqrt{7} = \color{red}{2} . \color{blue}{⋯} $

というところまでは言えますね。

√7の整数部分、小数部分

整数部分は、$\sqrt{7} $ を超えない最大の整数の「$\color{red}{2}$」です。

小数部分は、$\sqrt{7} $ から 整数部分の $\color{red}{2}$ を引いたものなので「$ \color{blue}{\sqrt{7} − 2} $」です。

よって、$ \sqrt{7} $ の

・整数部分は $\color{red}{2}$

・小数部分は $ \color{blue}{\sqrt{7} − 2} $

小数部分の求め方は、以下のように覚えておきましょう。

(小数部分)$=$(元の数)$−$(整数部分)

【例題1-2】$ \sqrt{10}$ の整数部分、小数部分を求めよ。

さっきと同じように考えてみます。

【解答】

$9<10<16$ より

$ \sqrt{9}<\sqrt{10}<\sqrt{16} $

∴ $ 3<\sqrt{10}<4 $

数直線で表すと

√10

よって、$\sqrt{10}$ の

・整数部分は $\color{red}{3}$

・小数部分は $\sqrt{10}−3 $

ここまで理解できたら次に進みましょう。

a√b の整数部分・小数部分の求め方

次は、a√b の整数部分・小数部分 の求め方です。

【例題2-1】$ 2 \sqrt{5}$ の整数部分、小数部分を求めよ。

これは要注意! まずはよくあるダメな例から。

×【NG例】

$4<5<9$ より

$ \sqrt{4}<\sqrt{5}<\sqrt{9} $

∴ $ 2<\sqrt{5}<3 $

辺々に $2$ をかけて

∴ $ 4<2 \sqrt{5}<6 $

数直線で表すと

2√5NG例

整数部分は・・・?

「あれ?整数部分って $4$ と $5$ のどっちだ?」となってしまい、上手くいきません。

というわけで、正しいやり方はこちら。

【解答】

$ 2 \sqrt{5} = \sqrt{20} $

$16<20<25$より

$ $ $ \sqrt{16}<\sqrt{20}<\sqrt{25} $

$ $ ∴ $ 4<\sqrt{20}<5 $

$ $ ∴ $ 4<2 \sqrt{5}<5 $

数直線で表すと

2√5OK例

よって

・整数部分は $\color{red}{4}$

・小数部分は $ 2 \sqrt{5}−4 $

となり、正しく求められました。

 

a√b の整数部分・小数部分 の求め方をまとめると

$ a \sqrt{b}$ を $ \sqrt{a^2b} $ の形にする(√の中に入れる)

−√a の整数部分・小数部分の求め方

次は、−√a の整数部分・小数部分 の求め方です。

【例題3-1】$ 5−\sqrt{6}$ の整数部分、小数部分を求めよ。

まずは「$ \sqrt{6} $ がどんな値か?」から考えます。

【解答】

$4<6<9$ より

$ $ $ \sqrt{4}<\sqrt{6}<\sqrt{9} $

$ $ ∴ $ 2<\sqrt{6}<3 $

辺々に $−1$ をかけて

$ $ $ −2>− \sqrt{6}>−3 $ ・・・(注)

$ $ ∴ $ −3<− \sqrt{6}<−2 $

辺々に $5$ を足して

$ $ $ 2<5 − \sqrt{6}<3 $

数直線で表すと

5-√6

よって

・整数部分は $\color{red}{2}$

・小数部分は $ \left( 5 − \sqrt{6} \right)−2 = 3 − \sqrt{6} $

(注)不等式にマイナスの数をかけると、不等号の向きがになる

 

−√a の整数部分・小数部分 の求め方をまとめると

不等式「$n≦\sqrt{a}<n+1$」に $−1$ をかけて
「$−(n+1)<−\sqrt{a}≦−n$」にする

√を含む分数の整数部分・小数部分の求め方

次は、√(ルート)を含む分数の 整数部分・小数部分 を求めてみましょう。

【例題4-1】$ \displaystyle{ 5 + \sqrt{7} \over 2 } $ の整数部分、小数部分を求めよ。

分数が入っていて一見難しそうですが、やはり「$ \sqrt{7} $ がどんな値か?」からスタートしましょう。

【解答】

$4<7<9$ より

$ \sqrt{4}<\sqrt{7}<\sqrt{9} $

∴ $ 2<\sqrt{7}<3 $

ここから、少しづつ $ \displaystyle{ 5 + \sqrt{7} \over 2 } $ の形に近づけていきます。

辺々に $5$ を足して

$ $ $ 7<5 + \sqrt{7}<8 $

辺々を $2$ で割って

$ $ $ \displaystyle{ { 7 \over 2 } <{ 5 + \sqrt{7} \over 2 }< { 8 \over 2 }  } $

$ $ ∴ $ \displaystyle{ 3 { 1 \over 2 } <{ 5 + \sqrt{7} \over 2 }< 4  } $ ・・・(注)

数直線で表すと

(5+√7)/2

よって

・整数部分は $\color{red}{3}$

・小数部分は $ \displaystyle{ { 5 + \sqrt{7} \over 2 } −3 = { \sqrt{7} − 1 \over 2 } } $

(注)$ \displaystyle{ 7 \over 2 }$ のような分数は「帯分数に直す」のがオススメです。

わざわざ割り算をして「小数に直す」よりもラクに処理できます。

【例題4-2】$ \displaystyle{ 2 \over 3 − \sqrt{5} } $ の整数部分、小数部分を求めよ。

このままの形だと考えにくいので、分母の有理化 をします。

【解答】

$ \displaystyle{ 2 \over 3 − \sqrt{5} } $

$ = \displaystyle{ { 2 \over 3 − \sqrt{5} } × { 3 + \sqrt{5} \over 3 + \sqrt{5} } } $

$ = \displaystyle{ { 2 \left( 3 + \sqrt{5} \right) \over 9 − 5 } } $

$ = \displaystyle{ { 3 + \sqrt{5} \over 2 } } $

さっきと同じように「$ \sqrt{5} $ がどんな値か?」を考えます。

$4<5<9$ より

$ \sqrt{4}<\sqrt{5}<\sqrt{9} $

∴ $ 2<\sqrt{5}<3 $

ここから $ \displaystyle{ 3 + \sqrt{5} \over 2 } $ の形に持っていきます。

辺々に $3$ を足して

$ $ $ 5<3 + \sqrt{5}<6 $

辺々を $2$ で割って

$ $ $\displaystyle{ {5 \over 2}< { 3 + \sqrt{5} \over 2 } <{6 \over 2} }$

$ $ ∴ $\displaystyle{ 2 {1 \over 2}<{ 3 + \sqrt{5} \over 2 } <3 }$

数直線で表すと

(3+√5)/2

よって

・整数部分は $\color{red}{2}$

・小数部分は $\displaystyle{ { 3 + \sqrt{5} \over 2 } − 2 = { \sqrt{5} −1 \over 2 } }$

 

ここで、√(ルート)を含む分数について整数部分・小数部分 を求める手順をまとめておきます。

  1. 分母の有理化
  2. $n≦$(①の数)<$n+1$ を満たす整数 $n$ を見つける
  3. 整数部分は「$n$」
    小数部分は「(①の数)$−n$」

この手順がイメージできるようになったら次に進みましょう!

√を含む分数の「整数部分をa、小数部分をbとするとき〜」応用問題 Lv.1

さて、いよいよ本題です。

√(ルート)を含む分数の「整数部分をa、小数部分をbとするとき〜」の 応用問題 Lv.1 です。

【問題1】$ \displaystyle{ 1 \over 2 − \sqrt{3} } $ の整数部分をa、小数部分をbとするとき、次の値を求めよ。

(1) $a, b$

ここまでの内容がちゃんと理解できているか?のチェックも兼ねて、

「整数部分a、小数部分bを求める」ところまで自力でやってみましょう!

【解答】を見る

【解答】

$ \displaystyle{ 1 \over 2 − \sqrt{3} } $

$ = \displaystyle{ { 1 \over 2 − \sqrt{3} } × { 2 + \sqrt{3} \over 2 + \sqrt{3} } } $

$ = \displaystyle{ 2 + \sqrt{3} } $

また、$1<3<4$ より

$ $ $ \sqrt{1}<\sqrt{3}<\sqrt{4} $

$ $ ∴ $ 1<\sqrt{3}<2 $

辺々に $2$ を足して

$ $ $ 3<2 + \sqrt{3}<4 $

数直線で表すと

2+√3

よって

・整数部分 $a = \color{red}{3} $

・小数部分 $b = \left( 2 + \sqrt{3} \right)− 3 = \sqrt{3} − 1 $

(2) $a^2+2ab+3b^2$

(1) で求めた $a,b$ の値をそのまま代入すればOKです。

実際に手を動かして解いてみましょう。

【解答】を見る

【解答】

$a^2+2ab+3b^2$

$ = 3^2+2 \cdot 3 \cdot \left( \sqrt{3} − 1 \right) + 3 \left( \sqrt{3} − 1 \right)^2$

$ = 9 + 6 \sqrt{3} − 6 + 3 \left( 4 −2 \sqrt{3} \right) $

$ = 9 + 6 \sqrt{3} − 6 + 12 −6 \sqrt{3} $

$ = 15 $

(3) $ \displaystyle{ { 1 \over a−b−1 } −  { 1 \over a+b+1 } } $

これも $a,b$ の値を代入してみましょう。

【解答】を見る

【解答】

$\displaystyle{ { 1 \over a−b−1 } −  { 1 \over a+b+1 } } $

$= \displaystyle{ { 1 \over 3−\left( \sqrt{3} − 1 \right)−1 } −  { 1 \over 3+\left( \sqrt{3} − 1 \right)+1 } } $

$= \displaystyle{ { 1 \over 3− \sqrt{3} } −  { 1 \over 3 + \sqrt{3} } } $

$= \displaystyle{ { \require{cancel} \bcancel{3} + \sqrt{3} \over 6 } −  { \bcancel{3}− \sqrt{3} \over 6 } } $

$= \displaystyle{ { 2 \sqrt{3} \over 6 } } $

$= \displaystyle{ { \sqrt{3} \over 3 } } $

 

ここまで自力で解けるようになっていれば、学校の中間・期末テストならまず安心です。

自信を持ってくださいね!

√を含む分数の「整数部分をa、小数部分をbとするとき〜」応用問題 Lv.2

入試問題にチャレンジしたい!という人は、こちらもぜひやってみてください。

√(ルート)を含む分数の「整数部分をa、小数部分をbとするとき〜」の 応用問題 Lv.2 です。 [17 名城大・改]

【問題2】$\displaystyle{ \sqrt{2} \over \sqrt{2}−1 }$ の整数部分をa、小数部分をbとするとき

(1) $a, b$ の値を求めよ。

まずは 分母の有理化 をして、整数部分と小数部分を求めましょう。

【解答】を見る

【解答】

$\displaystyle{ \sqrt{2} \over \sqrt{2}−1 }$

$ = \displaystyle{ { \sqrt{2} \over \sqrt{2}−1 }×{ \sqrt{2} + 1 \over \sqrt{2} + 1 } }$

$ = \displaystyle{ { \sqrt{2} ( \sqrt{2} + 1 ) \over 2 − 1 } }$

$ = \displaystyle{ 2 + \sqrt{2} }$

また、$1<2<4$ より

$ $ $ \sqrt{1}<\sqrt{2}<\sqrt{4} $

$ $ ∴ $ 1<\sqrt{2}<2 $

辺々に $2$ を足して

$ $ $ 3<2 + \sqrt{2}<4 $

よって

・整数部分 $a = 3$

・小数部分 $b = \left( 2 + \sqrt{2} \right) − 3 = \sqrt{2} − 1 $

(2) $\displaystyle{ x = a − {1 \over b} } $ の値を求めよ。

(1) で求めた $a, b$ の値を代入します。

【解答】を見る

【解答】

$\displaystyle{ x = a − {1 \over b} } $

$ $ $\displaystyle{ = 3 − {1 \over \sqrt{2} − 1 } } $

$ $ $\displaystyle{ = 3 − {1 \over \sqrt{2} − 1 }×{ \sqrt{2} + 1 \over \sqrt{2} + 1 } } $

$ $ $\displaystyle{ = 3 − { \sqrt{2} + 1 \over 2 − 1 } } $

$ $ $\displaystyle{ = 3 − \left( \sqrt{2} + 1 \right) } $

$ $ $\displaystyle{ = 2 − \sqrt{2} } $

(3) $ x^4 −5x^3 + 4x^2 + 6x $ の値を求めよ。

(2) の結果を利用して「$x^2=$($x$ の1次式)」で表せたら、$x$ の 次数を下げる ことができます。

【解答】を見る

【解答】

(2) より

$ $ $\displaystyle{ x = 2 − \sqrt{2} } $

$ $ ∴ $\displaystyle{ x − 2 = − \sqrt{2} } $

両辺を $2$乗して

$ $ $\displaystyle{ ( x − 2 )^2 = \left(− \sqrt{2} \right)^2 } $

$ $ ∴ $\displaystyle{ x^2 −4x + 4 = 2 } $

$ $ ∴ $\displaystyle{ x^2 = 4x − 2 } $ ・・・①

 

よって

・$x^3 = x( \color{red}{x^2} )$

$ $  $= x( \color{red}{4x − 2} )$ (①を代入)

$ $  $ = 4 \color{red}{x^2} − 2x$

$ $  $ = 4( \color{red}{4x − 2} ) − 2x$ (①を代入)

$ $  $ = 14x − 8 $ ・・・②

・$x^4 = x( \color{blue}{x^3} )$  ・・・(注)

$ $  $ = x( \color{blue}{14x − 8} )$ (②を代入)

$ $  $ = 14 \color{red}{x^2} − 8x $

$ $  $ = 14 ( \color{red}{4x − 2} ) − 8x $ (①を代入)

$ $  $ = 48x − 28 $ ・・・③

 

①、②、③より

$ $ $ x^4 −5x^3 + 4x^2 + 6x $

$ $ $ = (48x − 28) −5(14x − 8) + 4(4x − 2) + 6x $

$ $ $ = (48x − 28) −5(14x − 8) + 4(4x − 2) + 6x $

$ $ $ = 4 $

(注)$x^4 = \left(x^2 \right)^2 = ( 4x − 2 )^2 = 16x^2 −16x + 4 = ⋯ $ と考えてもOK

 

別解として、数学Ⅱで学習する「整式の割り算」を利用するやり方もあります。

【別解】を見る

【別解】

$\displaystyle{ x^2 = 4x − 2 } $ より

$ $ $\displaystyle{ x^2 − 4x + 2 = 0 } $

$ x^4 −5x^3 + 4x^2 + 6x $ を $x^2 − 4x + 2 $ で割ると

$ x^4 −5x^3 + 4x^2 + 6x $

$ = \left( x^2 − 4x + 2 \right) \left( x^2 − x − 2 \right) + 4 $

$ = \require{cancel} \bcancel{ 0 \cdot \left( x^2 − x − 2 \right) } + 4 $ ($ x^2 − 4x + 2 = 0$ を代入)

$ = 4 $

以上、Lv.2 の応用問題でした。

√を含む分数の「整数部分をa、小数部分をbとするとき〜」応用問題 Lv.3

いよいよラスト。

√(ルート)を含む分数の「整数部分をa、小数部分をbとするとき〜」の 応用問題 Lv.3 に挑戦です。 [センター試験追試・改]

【問題3】$ \displaystyle{ x = { 1 + 2 \sqrt{5} \over 8 − 3 \sqrt{5} } } $ の整数部分をa、小数部分をbとするとき

(1) $a, b$ を求めよ。

まずは 分母の有理化 からスタートです。

【解答】を見る

【解答】

$ \displaystyle{ x = { 1 + 2 \sqrt{5} \over 8 − 3 \sqrt{5} } } $

$ $ $ \displaystyle{ = { 1 + 2 \sqrt{5} \over 8 − 3 \sqrt{5} } × { 8 + 3 \sqrt{5} \over 8 + 3 \sqrt{5} } } $

$ $ $ \displaystyle{ = { \left(1 + 2 \sqrt{5} \right) \left( 8 + 3 \sqrt{5} \right) \over 64 − 45 } } $

$ $ $ \displaystyle{ = { 38 + 19 \sqrt{5} \over 19 } } $

$ $ $ \displaystyle{ = 2 + \sqrt{5} } $

また、$4<5<9$ より

$ $ $ \sqrt{4}<\sqrt{5}<\sqrt{9} $

$ $ ∴ $ 2<\sqrt{5}<3 $

辺々に $2$ を足して

$ $ $ 4<2 + \sqrt{5}<5 $

よって

・整数部分 $a = 4$

・小数部分 $b = \left( 2 + \sqrt{5} \right) − 4 = \sqrt{5} − 2 $

(2) $x^2 + b^2 $ を求めよ。

$x$、$b$ の値を代入します。

【解答】を見る

【解答】

$x^2 + b^2 $

$= \left( 2 + \sqrt{5} \right)^2 + \left( \sqrt{5} − 2 \right)^2 $

$= 9 + \require{cancel} \bcancel{ 4 \sqrt{5} } + 9 − \bcancel{ 4 \sqrt{5} } $

$= 18 $

(3) $x^2 − b^2 $ を求めよ。

こちらも代入すればOK。

【解答】を見る

【解答】

$x^2 − b^2 $

$= (x + b) (x − b) $

$= (x + b) a $

$= \left\{ \left( \require{cancel} \bcancel{2} + \sqrt{5} \right) + \left( \sqrt{5} − \bcancel{2} \right) \right\} \cdot 4 $

$= 2 \sqrt{5} \cdot 4 $

$= 8 \sqrt{5} $

(4) 等式 $ \displaystyle{ \left( { x^2 + b^2 \over 2 } \right)^m + \left( { x^2 − b^2 \over 2 } \right)^n = 809 } $ を満たす自然数 $m, n$ の値を求めよ。

ひとまず (1)、(2) の結果を代入すると方向性が見えてきます。

【解答・解説】を見る

【解答】

$ \displaystyle{ \left( { x^2 + b^2 \over 2 } \right)^m + \left( { x^2 − b^2 \over 2 } \right)^n = 809 } $

に (1)、(2) の結果を代入して

$ $ $ \displaystyle{ \left( { 18 \over 2 } \right)^m + \left( { 8 \sqrt{5} \over 2 } \right)^n = 809 } $

$ $ ∴ $ \displaystyle{ 9^m + \left( 4 \sqrt{5} \right)^n = 809 } $ ・・・①

$ $ ∴ $ \displaystyle{ \left( 4 \sqrt{5} \right)^n = 809 − 9^m } $ ・・・②

②について、右辺が有理数より、左辺も有理数。 ・・・(注1)

よって、$n$ は偶数なので $n = 2k$($k$:自然数)とおける。 ・・・(注2)

これを①に代入して

$ $ $ \displaystyle{ 9^m + \left( 4 \sqrt{5} \right)^{2k} = 809 } $

$ $ ∴ $ \displaystyle{ 9^m + 80^k = 809 } $ ・・・③

 

$ $[1] $k=1$ のとき

$ $ ③より

$ $ $ \displaystyle{ 9^m + 80 = 809 } $

$ $ ∴ $ \displaystyle{ 9^m = 729 } $

$ $ ∴ $m = 3$(自然数より適する)

$ $ このとき、$n=2 \cdot 1 = 2$

 

$ $[2] $k≧2$ のとき

$ $ ③より

$ \displaystyle{ \color{red}{809} = 9^m + 80^k \color{red}{≧} 9^m + 80^2 = \color{red}{9^m + 6400} } $

$ $ ∴ $ \displaystyle{ 809 ≧ 9^m + 6400 } $

これを満たす自然数 $m$ は存在しない(不適)

 

$ $[1]、[2]より

$ $ $m = 3,$ $n=2$

(注1)左辺と右辺を比較するやり方は「背理法」のところでも出てきました。

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(注2)偶数乗のときだけ「$\left( 4 \sqrt{5} \right)^n$」の√が外れます。

$ $ 例:$\left( 4 \sqrt{5} \right)^2 = 4^2 × \sqrt{5}^2 = 16 × 5$

以上です。お疲れ様でした!

最後に

√(ルート)を含む分数の「整数部分をa、小数部分をbとするとき〜」の問題は、学校のテスト大学入試 でもよく出ます。

a√b、−√a などのパターンにも対応できるようにしっかり練習しておきましょう!

 

質問・要望があれば気軽にコメントください👍