【中3数学】平方根(ルート○○)の大小関係の求め方【テストによく出る基本&応用問題つき】

平方根√(ルート)の大小関係の求め方がイマイチ分からない

解き方を分かりやすく教えてほしい!

テストや入試によく出る基本問題、応用問題を解いておきたい!

こういった要望に応えます。

 

このページを読めば、例えば、

$ \displaystyle{ {7 \over 3} < n < \sqrt{29} } $ をみたす自然数 $n$ をすべて求めなさい。

のような「平方根(ルート○○)の大小関係」の問題がスラスラ解けるようになります。

目次

平方根(ルート○○)の大小関係の求め方

平方根(ルート○○)の大小関係の求め方 のポイントは

$ $ 平方根を2乗する!

ということです。

 

平方根 は「2乗しても大小関係が変わらない」という性質があります。

$a<b$ ならば $\sqrt{a}<\sqrt{b}$

($a, b$ は正の数)

この性質を利用して、平方根の大小を考えましょう。

【例題1】$\sqrt{3}$ と $\sqrt{5}$ の大小を、不等号を使って表しなさい。

$ $ $\sqrt{3}$  $\sqrt{5}$

$ $  ↓    ↓  2乗

$ $ $\sqrt{3}^\color{red}{2} $ $\sqrt{5}^\color{red}{2} $

$ $  ||    ||

$ $  $3$    $<$    $5$

よって $\sqrt{3}<\sqrt{5}$

【解答】$\sqrt{3}<\sqrt{5}$

√3<√5

【例題2】$−\sqrt{3}$ と $−\sqrt{5}$ の大小を、不等号を使って表しなさい。

マイナスの平方根は注意!

2乗するときに「√(ルート)の部分だけ2乗」しましょう。

$ $ $−\sqrt{3}$ $−\sqrt{5}$

$ $  ↓    ↓  ルートだけ 2乗

$ $ $−\sqrt{3}^\color{red}{2} $ $−\sqrt{5}^\color{red}{2} $

$ $   ||   ||

$ $  $−3$    $>$    $−5$

よって $−\sqrt{3} > −\sqrt{5}$

【解答】$−\sqrt{3}>−\sqrt{5}$

$ $ ($−\sqrt{5}<−\sqrt{3}$ でも可)

-√5<-√3

 

さて、ここで【例題1】の結果と見比べてみましょう。

符号がマイナスになると、大小がになっていますね。

【例題1】$\sqrt{3}<\sqrt{5}$

【例題2】$−\sqrt{3} \color{red}{>}−\sqrt{5}$
($−\sqrt{5}<−\sqrt{3}$)

-√5<-√3<√3<√5

マイナスの平方根も、テストによく出るのでしっかり覚えておきましょう。

【例題3】$2$ と $\sqrt{5}$ の大小を、不等号を使って表しなさい。

整数と平方根の大小でもやり方は同じ。

$ $ $2$  $\sqrt{5}$

$ $ ↓   ↓  2乗

$ $ $2^\color{red}{2} $ $\sqrt{5}^\color{red}{2} $

$ $  ||  ||

$ $  $4$    $<$    $5$

よって $2<\sqrt{5}$

【解答】$2<\sqrt{5}$

ここまでちゃんと理解できたら、次に進みましょう!

平方根(ルート○○)の大小関係【基本問題】

さっそく 平方根(ルート○○)の大小関係の問題 を解いていきましょう。

まずは基本問題からスタート!

【問題1】$ \displaystyle{ {7 \over 2}, \enspace \sqrt{11}, \enspace 2 \sqrt{3} } $ を小さい方から順に並べなさい。

【解答・解説】を見る
【解答】$ \displaystyle{ \sqrt{11}, \enspace 2 \sqrt{3}, \enspace {7 \over 2} } $

【解説】

$ $   $ \displaystyle{7 \over 2}$    $ \displaystyle{\sqrt{11}}$    $ \displaystyle{2 \sqrt{3} }$

$ $   ↓       ↓       ↓ 2乗

$ \displaystyle{ \left( {7 \over 2} \right)^2 } $ $ \displaystyle{ \left( \sqrt{11} \right)^2 }$ $ \displaystyle{ \left( { 2 \sqrt{3} } \right)^2 }$

$ $   ||      ||      ||

$ $  $ \displaystyle{ {49 \over 4} } $      $ ① \displaystyle{ 11 }$      $ ② \displaystyle{ 12 }$

$ $   || 帯分数

$ $ $ ③ \displaystyle{ 12{1 \over 4} } $

※ 小さい方から①〜③をつけた

【問題2】$ \displaystyle{ { 5 \over \sqrt{3} }, { \sqrt{5} \over 3 }, { 3 \over \sqrt{5} }, { \sqrt{3} \over 5 } } $ の大小を、不等号を使って表しなさい。

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【解答】$ \displaystyle{ { \sqrt{3} \over 5 }<{ \sqrt{5} \over 3 }<{ 3 \over \sqrt{5} }<{ 5 \over \sqrt{3} } } $

【解説】

$ $    $ \displaystyle{ 5 \over \sqrt{3} }$    $ \displaystyle{ \sqrt{5} \over 3 }$    $ \displaystyle{ 3 \over \sqrt{5} }$    $ \displaystyle{ \sqrt{3} \over 5 } $

$ $    ↓    ↓    ↓    ↓ 2乗

$ \displaystyle{ \left( { 5 \over \sqrt{3} } \right)^2 \enspace \left( { \sqrt{5} \over 3 } \right)^2 \enspace \left( { 3 \over \sqrt{5} } \right)^2 \enspace \left( { \sqrt{3} \over 5 } \right)^2 } $

$ $ ||      ||      ||      ||

$ $   $ \displaystyle{ 25 \over 3 }$   $ \displaystyle{ 5 \over 9 }$    $ \displaystyle{ 9 \over 5 }$    $ \displaystyle{ 3 \over 25 } $

$ $ ||      ||      ||      || 帯分数

$ $   $ ④ \displaystyle{ 8{1 \over 3 }}$   $ \displaystyle{ 5 \over 9 }$      $ ③ \displaystyle{1{ 4 \over 5 }}$     $ \displaystyle{ 3 \over 25 } $

$ $          ||               || 通分

$ $      $ ② \displaystyle{ 125 \over 225 }$       $ ① \displaystyle{ 27 \over 225 } $

※ 小さい方から①〜④をつけた

【問題3】$ \sqrt{51} $ より小さい自然数の個数を求めなさい。

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【解答】$7$ 個

【解説】

$ 49<51<64 $ より

$ \sqrt{49}<\sqrt{51}<\sqrt{64} $

$ 7<\sqrt{51}<8 $

√51

$\sqrt{51}$ より小さい自然数は

$1$〜$7$ の $7$ 個

√51より小さい自然数

【問題4】$ n < \sqrt{130} $ をみたす自然数 $n$ のうち最も大きい自然数 $n$ の値を求めなさい。

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【解答】$n=12$

【解説】

$ $ $ n < \sqrt{130} $

の両辺を2乗して

$ $ $ n^2 < \sqrt{130}^2 $

$ $ $ n^2 < 130 $

これをみたす自然数 $n$ を考えると

$ $ $1^2 = 1$ 

$ $ $2^2 = 4$ 

$ $ ・

$ $ ・

$ $ ・

$ $ $\color{red}{11}^2 = 121$ 

$ $ $12^2 = 144$ ×

よって、$n=11$ が最大

 

【別解】(問題3 と同様のやり方)

$ 121<130<144 $ より

$ \sqrt{121}<\sqrt{130}<\sqrt{144} $

$ 11<\sqrt{130}<12 $

√130

$ n < \sqrt{130} $ の範囲を数直線で表すと

√130より小さい自然数

これをみたす自然数 $n$ のうち最大のものは

$ $ $n= 11$

【問題5】$ 3 < \sqrt{n} < 4 $ をみたす自然数 $n$ は全部で何個あるか答えなさい。

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【解答】$ 6 $ 個

【解説】

$ $ $ 3 < \sqrt{n} < 4 $

それぞれの辺を2乗して

$ $ $ 3^2 < \sqrt{n}^2 < 4^2 $

$ $ $ 9 < n < 16 $

これをみたす自然数 $n$ は

$ $ $10$ 〜 $15$

その個数は

$ $ $ 15 − 10 + 1 = 6 $(個)

 

(注)整数 $A$〜$B$ までの個数は
「$ B− A + 1 $(個)」

おしり − 頭 + 1(個)

と覚える!

【問題6】$ \displaystyle{ {7 \over 3} < n < \sqrt{29} } $ をみたす自然数 $n$ をすべて求めなさい。

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【解答】$n=3, \enspace 4,\enspace 5$

【解説】

$ $ $ \displaystyle{ {7 \over 3} < n < \sqrt{29} } $

それぞれの辺を2乗して

$ $ $ \displaystyle{ \left( {7 \over 3} \right)^2 < n^2 < \sqrt{29}^2 } $

$ $ $ \displaystyle{ {49 \over 9} < n^2 < 29 } $

$ $ $ \displaystyle{ 5{4 \over 9} < n^2 < 29 } $

これをみたす自然数 $n$ を考えると

$ $ $n= 3$ のとき $n^2=3^2 = 9$ 

$ $ $n= 4$ のとき $n^2=4^2 = 16$ 

$ $ $n= 5$ のとき $n^2=5^2 = 25$ 

以上、基本問題でした。

ここまでの問題パターンをマスターしておけば、学校の定期テストはひとまず安心です。

平方根(ルート○○)の大小関係【応用問題】

続いて、平方根(ルート○○)の大小関係の応用問題 を解いていきましょう。

2乗すると手詰まりになってしまうパターンの問題です。

このパターンは「数直線をかく」やり方が効きます。

【問題1】$ −3 \sqrt{3} <a≦−1 $ をみたす整数 $a$ は全部で何個あるか答えなさい。

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【解答】$5$ 個

【解説】

$ −3 \sqrt{3} <a≦−1 $ より

$ − \sqrt{27} <a≦−1 $

 

ここで

$ 25< 27 <36 $ より

$ \sqrt{25}< \sqrt{27} < \sqrt{36} $

$ 5< \sqrt{27} <6 $

√27

符号をマイナスにすると、大小がになるので

$ −5 \color{red}{>} − \sqrt{27} \color{red}{>} −6 $

つまり

$ −6< − \sqrt{27} <−5 $

-√27

 

よって、$ − \sqrt{27} <a≦−1 $ をみたす整数 $a$ は

$ $ $−5$ 〜 $−1$

(注)$−1$ を含む

-√27<a≦-1

その個数は

$ $ $(−1)−(−5)+1 = 5$(個)

【問題2】$ −2.9 < n < \sqrt{21} $ をみたす整数 $n$ は全部で何個あるか答えなさい。

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【解答】 $ 7 $ 個

【解説】

$ 16< 21 <25 $ より

$ \sqrt{16}< \sqrt{21} < \sqrt{25} $

$ 4< \sqrt{21} <5 $

√21

よって、$ −2.9 < n < \sqrt{21} $ をみたす整数 $n$ は

$ $ $−2$ 〜 $4$

-2.9〜√21の整数

その個数は

$ $ $ 4 − (−2) + 1 = 7 $(個)

【問題3】$ a−1 < \sqrt{34} < a+3 $ をみたす自然数 $a$ は全部で何個あるか答えなさい。

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【解答】$4$ 個

【解説】

$ 25< 34 <36 $ より

$ \sqrt{25}< \sqrt{34} < \sqrt{36} $

$ 5< \sqrt{34} <6 $

√34

$a−1$(左端)と $ a+3$(右端)が $4$ だけ離れていることを考えると

$ $[1] $a−1=5$ のとき $a=6$(最大)

√34_a-1=5

$ $[2] $a+3=6$ のとき $a=3$(最小)

√34_a+3=6

よって、条件をみたす自然数 $a$ は

$ $ $3$ 〜 $6$

その個数は

$ $ $6−3+1=4$(個)

以上です。お疲れ様でした!

【まとめ】平方根(ルート○○)の大小関係の求め方

平方根(ルート○○)の大小関係の求め方 のポイントは

$ $ 平方根を2乗する!

ということ。

 

それでもダメなら

$ $ 数直線をかく

と覚えておきましょう。

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