平方根√(ルート)の大小関係の求め方がイマイチ分からない
解き方を分かりやすく教えてほしい!
テストや入試によく出る基本問題、応用問題を解いておきたい!
こういった要望に応えます。
このページを読めば、例えば、
のような「平方根(ルート○○)の大小関係」の問題がスラスラ解けるようになります。
- 1 平方根(ルート○○)の大小関係の求め方
- 2 平方根(ルート○○)の大小関係【基本問題】
- 2.1 【問題1】$ \displaystyle{ {7 \over 2}, \enspace \sqrt{11}, \enspace 2 \sqrt{3} } $ を小さい方から順に並べなさい。
- 2.2 【問題2】$ \displaystyle{ { 5 \over \sqrt{3} }, { \sqrt{5} \over 3 }, { 3 \over \sqrt{5} }, { \sqrt{3} \over 5 } } $ の大小を、不等号を使って表しなさい。
- 2.3 【問題3】$ \sqrt{51} $ より小さい自然数の個数を求めなさい。
- 2.4 【問題4】$ n < \sqrt{130} $ をみたす自然数 $n$ のうち最も大きい自然数 $n$ の値を求めなさい。
- 2.5 【問題5】$ 3 < \sqrt{n} < 4 $ をみたす自然数 $n$ は全部で何個あるか答えなさい。
- 2.6 【問題6】$ \displaystyle{ {7 \over 3} < n < \sqrt{29} } $ をみたす自然数 $n$ をすべて求めなさい。
- 3 平方根(ルート○○)の大小関係【応用問題】
- 4 【まとめ】平方根(ルート○○)の大小関係の求め方
- 5 平方根(ルート○○)の整数部分、小数部分の求め方
- 6 平方根(ルート○○)が自然数となる n の求め方
平方根(ルート○○)の大小関係の求め方
平方根(ルート○○)の大小関係の求め方 のポイントは
$ $ 平方根を2乗する!
ということです。
平方根 は「2乗しても大小関係が変わらない」という性質があります。
$a<b$ ならば $\sqrt{a}<\sqrt{b}$
($a, b$ は正の数)
この性質を利用して、平方根の大小を考えましょう。
【例題1】$\sqrt{3}$ と $\sqrt{5}$ の大小を、不等号を使って表しなさい。
$ $ $\sqrt{3}$ $\sqrt{5}$
$ $ ↓ ↓ 2乗
$ $ $\sqrt{3}^\color{red}{2} $ $\sqrt{5}^\color{red}{2} $
$ $ || ||
$ $ $3$ $<$ $5$
よって $\sqrt{3}<\sqrt{5}$
【例題2】$−\sqrt{3}$ と $−\sqrt{5}$ の大小を、不等号を使って表しなさい。
マイナスの平方根は注意!
2乗するときに「√(ルート)の部分だけ2乗」しましょう。
$ $ $−\sqrt{3}$ $−\sqrt{5}$
$ $ ↓ ↓ ルートだけ 2乗
$ $ $−\sqrt{3}^\color{red}{2} $ $−\sqrt{5}^\color{red}{2} $
$ $ || ||
$ $ $−3$ $>$ $−5$
よって $−\sqrt{3} > −\sqrt{5}$
【解答】$−\sqrt{3}>−\sqrt{5}$
$ $ ($−\sqrt{5}<−\sqrt{3}$ でも可)
さて、ここで【例題1】の結果と見比べてみましょう。
符号がマイナスになると、大小が逆になっていますね。
【例題1】$\sqrt{3}<\sqrt{5}$
【例題2】$−\sqrt{3} \color{red}{>}−\sqrt{5}$
($−\sqrt{5}<−\sqrt{3}$)
マイナスの平方根も、テストによく出るのでしっかり覚えておきましょう。
【例題3】$2$ と $\sqrt{5}$ の大小を、不等号を使って表しなさい。
整数と平方根の大小でもやり方は同じ。
$ $ $2$ $\sqrt{5}$
$ $ ↓ ↓ 2乗
$ $ $2^\color{red}{2} $ $\sqrt{5}^\color{red}{2} $
$ $ || ||
$ $ $4$ $<$ $5$
よって $2<\sqrt{5}$
ここまでちゃんと理解できたら、次に進みましょう!
平方根(ルート○○)の大小関係【基本問題】
さっそく 平方根(ルート○○)の大小関係の問題 を解いていきましょう。
まずは基本問題からスタート!
【問題1】$ \displaystyle{ {7 \over 2}, \enspace \sqrt{11}, \enspace 2 \sqrt{3} } $ を小さい方から順に並べなさい。
- 【解答・解説】を見る
-
【解答】$ \displaystyle{ \sqrt{11}, \enspace 2 \sqrt{3}, \enspace {7 \over 2} } $
【解説】
$ $ $ \displaystyle{7 \over 2}$ $ \displaystyle{\sqrt{11}}$ $ \displaystyle{2 \sqrt{3} }$
$ $ ↓ ↓ ↓ 2乗
$ \displaystyle{ \left( {7 \over 2} \right)^2 } $ $ \displaystyle{ \left( \sqrt{11} \right)^2 }$ $ \displaystyle{ \left( { 2 \sqrt{3} } \right)^2 }$
$ $ || || ||
$ $ $ \displaystyle{ {49 \over 4} } $ $ ① \displaystyle{ 11 }$ $ ② \displaystyle{ 12 }$
$ $ || 帯分数
$ $ $ ③ \displaystyle{ 12{1 \over 4} } $
※ 小さい方から①〜③をつけた
【問題2】$ \displaystyle{ { 5 \over \sqrt{3} }, { \sqrt{5} \over 3 }, { 3 \over \sqrt{5} }, { \sqrt{3} \over 5 } } $ の大小を、不等号を使って表しなさい。
- 【解答・解説】を見る
-
【解答】$ \displaystyle{ { \sqrt{3} \over 5 }<{ \sqrt{5} \over 3 }<{ 3 \over \sqrt{5} }<{ 5 \over \sqrt{3} } } $
【解説】
$ $ $ \displaystyle{ 5 \over \sqrt{3} }$ $ \displaystyle{ \sqrt{5} \over 3 }$ $ \displaystyle{ 3 \over \sqrt{5} }$ $ \displaystyle{ \sqrt{3} \over 5 } $
$ $ ↓ ↓ ↓ ↓ 2乗
$ \displaystyle{ \left( { 5 \over \sqrt{3} } \right)^2 \enspace \left( { \sqrt{5} \over 3 } \right)^2 \enspace \left( { 3 \over \sqrt{5} } \right)^2 \enspace \left( { \sqrt{3} \over 5 } \right)^2 } $
$ $ || || || ||
$ $ $ \displaystyle{ 25 \over 3 }$ $ \displaystyle{ 5 \over 9 }$ $ \displaystyle{ 9 \over 5 }$ $ \displaystyle{ 3 \over 25 } $
$ $ || || || || 帯分数
$ $ $ ④ \displaystyle{ 8{1 \over 3 }}$ $ \displaystyle{ 5 \over 9 }$ $ ③ \displaystyle{1{ 4 \over 5 }}$ $ \displaystyle{ 3 \over 25 } $
$ $ || || 通分
$ $ $ ② \displaystyle{ 125 \over 225 }$ $ ① \displaystyle{ 27 \over 225 } $
※ 小さい方から①〜④をつけた
【問題3】$ \sqrt{51} $ より小さい自然数の個数を求めなさい。
- 【解答・解説】を見る
-
【解答】$7$ 個
【解説】
$ 49<51<64 $ より
$ \sqrt{49}<\sqrt{51}<\sqrt{64} $
$ 7<\sqrt{51}<8 $
$\sqrt{51}$ より小さい自然数は
$1$〜$7$ の $7$ 個
【問題4】$ n < \sqrt{130} $ をみたす自然数 $n$ のうち最も大きい自然数 $n$ の値を求めなさい。
- 【解答・解説】を見る
-
【解答】$n=12$
【解説】
$ $ $ n < \sqrt{130} $
の両辺を2乗して
$ $ $ n^2 < \sqrt{130}^2 $
$ $ $ n^2 < 130 $
これをみたす自然数 $n$ を考えると
$ $ $1^2 = 1$ ○
$ $ $2^2 = 4$ ○
$ $ ・
$ $ ・
$ $ ・
$ $ $\color{red}{11}^2 = 121$ ○
$ $ $12^2 = 144$ ×
よって、$n=11$ が最大
【別解】(問題3 と同様のやり方)
$ 121<130<144 $ より
$ \sqrt{121}<\sqrt{130}<\sqrt{144} $
$ 11<\sqrt{130}<12 $
$ n < \sqrt{130} $ の範囲を数直線で表すと
これをみたす自然数 $n$ のうち最大のものは
$ $ $n= 11$
【問題5】$ 3 < \sqrt{n} < 4 $ をみたす自然数 $n$ は全部で何個あるか答えなさい。
- 【解答・解説】を見る
-
【解答】$ 6 $ 個
【解説】
$ $ $ 3 < \sqrt{n} < 4 $
それぞれの辺を2乗して
$ $ $ 3^2 < \sqrt{n}^2 < 4^2 $
$ $ $ 9 < n < 16 $
これをみたす自然数 $n$ は
$ $ $10$ 〜 $15$
その個数は
$ $ $ 15 − 10 + 1 = 6 $(個)
(注)整数 $A$〜$B$ までの個数は
「$ B− A + 1 $(個)」おしり − 頭 + 1(個)
と覚える!
【問題6】$ \displaystyle{ {7 \over 3} < n < \sqrt{29} } $ をみたす自然数 $n$ をすべて求めなさい。
- 【解答・解説】を見る
-
【解答】$n=3, \enspace 4,\enspace 5$
【解説】
$ $ $ \displaystyle{ {7 \over 3} < n < \sqrt{29} } $
それぞれの辺を2乗して
$ $ $ \displaystyle{ \left( {7 \over 3} \right)^2 < n^2 < \sqrt{29}^2 } $
$ $ $ \displaystyle{ {49 \over 9} < n^2 < 29 } $
$ $ $ \displaystyle{ 5{4 \over 9} < n^2 < 29 } $
これをみたす自然数 $n$ を考えると
$ $ $n= 3$ のとき $n^2=3^2 = 9$ ○
$ $ $n= 4$ のとき $n^2=4^2 = 16$ ○
$ $ $n= 5$ のとき $n^2=5^2 = 25$ ○
以上、基本問題でした。
ここまでの問題パターンをマスターしておけば、学校の定期テストはひとまず安心です。
平方根(ルート○○)の大小関係【応用問題】
続いて、平方根(ルート○○)の大小関係の応用問題 を解いていきましょう。
2乗すると手詰まりになってしまうパターンの問題です。
このパターンは「数直線をかく」やり方が効きます。
【問題1】$ −3 \sqrt{3} <a≦−1 $ をみたす整数 $a$ は全部で何個あるか答えなさい。
- 【解答・解説】を見る
-
【解答】$5$ 個
【解説】
$ −3 \sqrt{3} <a≦−1 $ より
$ − \sqrt{27} <a≦−1 $
ここで
$ 25< 27 <36 $ より
$ \sqrt{25}< \sqrt{27} < \sqrt{36} $
$ 5< \sqrt{27} <6 $
符号をマイナスにすると、大小が逆になるので
$ −5 \color{red}{>} − \sqrt{27} \color{red}{>} −6 $
つまり
$ −6< − \sqrt{27} <−5 $
よって、$ − \sqrt{27} <a≦−1 $ をみたす整数 $a$ は
$ $ $−5$ 〜 $−1$
(注)$−1$ を含む
その個数は
$ $ $(−1)−(−5)+1 = 5$(個)
【問題2】$ −2.9 < n < \sqrt{21} $ をみたす整数 $n$ は全部で何個あるか答えなさい。
- 【解答・解説】を見る
-
【解答】 $ 7 $ 個
【解説】
$ 16< 21 <25 $ より
$ \sqrt{16}< \sqrt{21} < \sqrt{25} $
$ 4< \sqrt{21} <5 $
よって、$ −2.9 < n < \sqrt{21} $ をみたす整数 $n$ は
$ $ $−2$ 〜 $4$
その個数は
$ $ $ 4 − (−2) + 1 = 7 $(個)
【問題3】$ a−1 < \sqrt{34} < a+3 $ をみたす自然数 $a$ は全部で何個あるか答えなさい。
- 【解答・解説】を見る
-
【解答】$4$ 個
【解説】
$ 25< 34 <36 $ より
$ \sqrt{25}< \sqrt{34} < \sqrt{36} $
$ 5< \sqrt{34} <6 $
$a−1$(左端)と $ a+3$(右端)が $4$ だけ離れていることを考えると
$ $[1] $a−1=5$ のとき $a=6$(最大)
$ $[2] $a+3=6$ のとき $a=3$(最小)
よって、条件をみたす自然数 $a$ は
$ $ $3$ 〜 $6$
その個数は
$ $ $6−3+1=4$(個)
以上です。お疲れ様でした!
【まとめ】平方根(ルート○○)の大小関係の求め方
平方根(ルート○○)の大小関係の求め方 のポイントは
$ $ 平方根を2乗する!
ということ。
それでもダメなら
$ $ 数直線をかく
と覚えておきましょう。
平方根(ルート○○)の整数部分、小数部分の求め方
平方根√(ルート)の整数部分、小数部分の求め方がよく分からない そもそも√の数の整数部分、小数部分って何? わかりやすく解説してほしい! こういった疑問・要望にこたえます。 このページを読めば、中学数[…]
平方根(ルート○○)が自然数となる n の求め方
平方根の「ルート○○が自然数となるn」の求め方がよく分からない 簡単に求める方法はないの? テストや入試によく出る問題を解いておきたい! こういった要望に応えます。 例えば、 $ \sqrt{28n[…]
質問・要望があれば気軽にコメントください👍