【中学数学】平方根(ルート○○)の整数部分、小数部分の求め方はこれだけ!【基本&応用問題つき】

平方根√(ルート)の整数部分、小数部分の求め方がよく分からない

そもそも√の数の整数部分、小数部分って何?

わかりやすく解説してほしい!

こういった疑問・要望にこたえます。

 

このページを読めば、中学数学における平方根

$ \displaystyle{ \sqrt{10} } $ の小数部分を $x$ とするとき、$x^2 + 5x + 6$ の値を求めよ。

のようなパターンの問題を迷うことなくスラスラ解けるようになります。

目次

平方根(ルート○○)の整数部分・小数部分【基本編】

まずは「平方根√(ルート)の数の整数部分・小数部分って何?」から解説します。

【例題1-1】$ \sqrt{7}$ の整数部分、小数部分を求めなさい。

もし $ \sqrt{7} = \color{red}{2}.\color{blue}{645 ⋯ } $ という近似値(きんじち)を覚えていれば、

・整数部分は $ \color{red}{2}$

・小数部分は $ \sqrt{7} − \color{red}{2}$

($ = \color{red}{2}.\color{blue}{645 ⋯ } − \color{red}{2} = 0. \color{blue}{645 ⋯ } $)

であっさり終わりです。

ですが、例えば $ \sqrt{19} $ とかになると、ほとんどの人は覚えてないですよね?

なので、次のやり方をマスターしておきましょう。

 

まず「$ \sqrt{7}$」を2乗した形「$7$」で考えます。

$○^2<7<□^2$ となるような数ではさむと

$○<\sqrt{7}<□$ と分かりますね。

$4<7<9$ より

$ \sqrt{4}<\sqrt{7}<\sqrt{9} $

$ \color{red}{2}<\sqrt{7}<3 $

$ \sqrt{7}$ が $2$ と $3$ の間にあることが分かりました。

これを 数直線で表す と

√7

こんな感じなので、

$ $ $ \sqrt{7} = \color{red}{2} . \color{blue}{⋯} $

というところまでは言えますね。

√7の整数部分、小数部分

整数部分は、$\sqrt{7} $ を超えない最大の整数の「$\color{red}{2}$」です。

小数部分は、$\sqrt{7} $ から 整数部分の $\color{red}{2}$ を引いたものなので「$ \color{blue}{\sqrt{7} − 2} $」です。

よって、$ \sqrt{7} $ の

・整数部分は $\color{red}{2}$

・小数部分は $ \color{blue}{\sqrt{7} − 2} $

小数部分の求め方は、次のように覚えておきましょう。

(小数部分)$=$(元の数)$−$(整数部分)

【例題1-2】$ \sqrt{10}$ の整数部分、小数部分を求めなさい。

さっきと同じように考えてみます。

$9<10<16$ より

$ \sqrt{9}<\sqrt{10}<\sqrt{16} $

$ \color{red}{3}<\sqrt{10}<4 $

数直線で表すと

√10

よって、$\sqrt{10}$ の

・整数部分は $\color{red}{3}$

・小数部分は $\sqrt{10}−3 $

ここまで理解できたら次に進みましょう。

平方根(ルート○○) の整数部分、小数部分を求める問題【基本編】

さっそく「平方根(ルート○○)の整数部分、小数部分を求める問題」をやってみましょう!

まずは 基本問題 からスタート!

【問題1】$ \sqrt{6}$ の整数部分、小数部分を求めなさい。

【解答・解説】を見る
【解答】整数部分 $ 2 $、小数部分 $ \sqrt{6}−2 $

【解説】

$4<6<9$ より

$ \sqrt{4}<\sqrt{6}<\sqrt{9} $

$ \color{red}{2}<\sqrt{6}<3 $

数直線で表すと

√6

よって、$\sqrt{6}$ の

・整数部分は $\color{red}{2}$

・小数部分は $\sqrt{6}−2 $

【問題2】$ 2 + \sqrt{2}$ の整数部分、小数部分を求めなさい。

まずは $ \sqrt{2} $ の整数部分を求めるところからスタートしましょう。

【解答・解説】を見る
【解答】整数部分 $ 3 $、小数部分 $ \sqrt{2}−1 $

【解説】

$1<2<4$ より

$ \sqrt{1}<\sqrt{2}<\sqrt{4} $

$ 1<\sqrt{2}<2 $

それぞれの辺に $2$ を足して

$ 1+2<2+ \sqrt{2}<2+2 $

$ \color{red}{3}<2+ \sqrt{2}<4 $

数直線で表すと

2+√2

よって、$ 2+ \sqrt{2}$ の

・整数部分は $\color{red}{3}$

・小数部分は $ \left( 2+ \sqrt{2} \right)−3 = \sqrt{2} −1 $

【問題3】$ \sqrt{5} $ の小数部分を $a$ とするとき、$ a^2 + a −2$ の値を求めなさい。

$ \sqrt{5} $ の小数部分を求めてから、$ a^2 + a −2 $ にそのまま代入すると計算が少し大変ですね。

【解答・解説】を見る
【解答】$ 5−3 \sqrt{5} $

【解説】

$4<5<9$ より

$ \sqrt{4}<\sqrt{5}<\sqrt{9} $

∴ $ \color{red}{2}<\sqrt{5}<3 $

数直線で表すと

√5

よって、$\sqrt{5}$ の

・整数部分は $ \color{red}{2} $

・小数部分は $ a= \sqrt{5}−2 $

 

ゆえに

$ a^2 +a −2$

$ = (a−1)(a+2)$ (因数分解)

$ = \left(\sqrt{5}−2−1 \right) \left(\sqrt{5}−2 + 2 \right) $ ($a$ を代入)

$ = \left(\sqrt{5}−3 \right) \sqrt{5} $

$ = 5−3 \sqrt{5} $

以上、基本編でした!

a√b の整数部分・小数部分の求め方【応用編】

ここからは、中学数学の「平方根の応用」に入ります。

まずは、a√b の整数部分・小数部分 の求め方です。

【例題2-1】$ 2 \sqrt{5}$ の整数部分、小数部分を求めなさい。

これは要注意! まずはよくあるダメな例から。

×【NG例】

$4<5<9$ より

$ $ $ \sqrt{4}<\sqrt{5}<\sqrt{9} $

$ $ $ 2<\sqrt{5}<3 $

それぞれの辺に $2$ をかけて

$ $ $ 4<2 \sqrt{5}<6 $

数直線で表すと

2√5NG例

整数部分は・・・?

「あれ?整数部分って $4$ と $5$ のどっちだ?」となってしまい、うまくいきません。

というわけで、正しいやり方はこちら。

【OK例】

$ 2 \sqrt{5} = \sqrt{20} $

$16<20<25$より

$ $ $ \sqrt{16}<\sqrt{20}<\sqrt{25} $

$ $ $ 4<\sqrt{20}<5 $

$ $ $ \color{red}{4}<2 \sqrt{5}<5 $

数直線で表すと

2√5OK例

よって

・整数部分は $\color{red}{4}$

・小数部分は $ 2 \sqrt{5}−4 $

となり、正しく求められました。

 

a√b の整数部分・小数部分 の求め方をまとめると

$ a \sqrt{b}$ を $ \sqrt{a^2b} $ の形にする(√の中に入れる)

−√a の整数部分・小数部分の求め方【応用編】

続いて、−√a の整数部分・小数部分 の求め方です。

【例題3-1】$ 5−\sqrt{6}$ の整数部分、小数部分を求めなさい。

まずは「$ \sqrt{6} $ がどんな値か?」から考えます。

【解答】

$4<6<9$ より

$ $ $ \sqrt{4}<\sqrt{6}<\sqrt{9} $

$ $ $ 2<\sqrt{6}<3 $

それぞれの辺に $−1$ をかけて

$ $ $ −2>− \sqrt{6}>−3 $ ・・・(注)

$ $ $ −3<− \sqrt{6}<−2 $

それぞれの辺に $5$ を足して

$ $ $ −3+5<5− \sqrt{6}<−2+5 $

$ $ $ \color{red}{2}<5 − \sqrt{6}<3 $

数直線で表すと

5-√6

よって

・整数部分は $\color{red}{2}$

・小数部分は $ \left( 5 − \sqrt{6} \right)−2 = 3 − \sqrt{6} $

(注)不等式にマイナスの数をかけると、不等号の向きがになる(大小関係が逆になるってこと)

 

−√a の整数部分・小数部分 の求め方をまとめると

不等式「$n≦\sqrt{a}<n+1$」に $−1$ をかけて
「$−(n+1)<−\sqrt{a}≦−n$」にする

平方根(ルート○○) の整数部分、小数部分を求める問題【応用編】

それでは「平方根(ルート○○)の整数部分、小数部分を求める問題」(応用問題)にチャレンジしてみましょう!

【問題1】$ 2 \sqrt{5} − 2 $ の小数部分を $a$ とするとき、$ a^2+4a $ の値を求めなさい。

【解答・解説】を見る
【解答】$ 20 −8 \sqrt{5} $

【解説】

$ 2 \sqrt{5} = \sqrt{20} $

$16<20<25$より

$ $ $ \sqrt{16}<\sqrt{20}<\sqrt{25} $

$ $ $ 4<\sqrt{20}<5 $

$ $ $ 4<2 \sqrt{5}<5 $

それぞれの辺から $2$ を引いて

$ $ $ \color{red}{2}<2 \sqrt{5} −2 <3 $

数直線で表すと

2√5-2

よって、$ 2 \sqrt{5} −2 $ の

・整数部分は $\color{red}{2}$

・小数部分は $ a = \left( 2 \sqrt{5} −2 \right) −\color{red}{2} = 2 \sqrt{5}−4 $

 

ゆえに

$ a^2 +4a $

$ = a(a+4) $(因数分解)

$ = \left( 2 \sqrt{5}−4 \right) \left( 2 \sqrt{5}−4 + 4 \right) $($a$ を代入)

$ = \left( 2 \sqrt{5}−4 \right) × 2 \sqrt{5} $

$ = 20 −8 \sqrt{5} $

【問題2】$ 5 − \sqrt{2} $ の整数部分を $a$ 、小数部分を $b$ とするとき、$ \displaystyle{ b^2 + {1 \over 3} ab } $ の値を求めなさい。

【解答・解説】を見る
【解答】$ 8 − 5 \sqrt{2} $

【解説】

$1<2<4$ より

$ $ $ \sqrt{1}<\sqrt{2}<\sqrt{4} $

$ $ $ 1<\sqrt{2}<2 $

それぞれの辺に $−1$ をかけて

$ $ $ −1>− \sqrt{2}>−2 $ ←【例題3-1】参照

$ $ $ −2< − \sqrt{2}<−1 $(左右を逆にした)

それぞれの辺に $5$ を足して

$ $ $ \color{red}{3}< 5 − \sqrt{2}<4 $

数直線で表すと

5-√2

よって、$ 5 − \sqrt{2} $ の

・整数部分は $ a = \color{red}{3}$

・小数部分は $ b = \left( 5 − \sqrt{2} \right) −\color{red}{3} = 2 − \sqrt{2} $

 

ゆえに

$ \displaystyle{ b^2 + {1 \over 3} ab } $

$ \displaystyle{ = b \left( b + {1 \over 3} a \right) } $

$ \displaystyle{ = \left( 2 − \sqrt{2} \right) \left( 2 − \sqrt{2} + {1 \over \require{cancel} \bcancel{3} } × \bcancel{3} \right) } $($a, b$ を代入)

$ \displaystyle{ = \left( 2 − \sqrt{2} \right) \left( 3 − \sqrt{2} \right) } $

$ \displaystyle{ = 6 − 5 \sqrt{2} + 2 } $

$ \displaystyle{ = 8 − 5 \sqrt{2} } $

【問題3】$ \left( \sqrt{2} + \sqrt{3} \right)^2 $ の小数部分を $x$ とするとき、$ x^2 + 8x −20 $ の値を求めなさい。

まずは $ \left( \sqrt{2} + \sqrt{3} \right)^2 $ を展開してみましょう。

【解答・解説】を見る
【解答】$ −12 $

【解説】

$ \left( \sqrt{2} + \sqrt{3} \right)^2 $

$ = 2 + 2 \sqrt{6} + 3 $

$ = 5 + 2 \sqrt{6} $

$ = 5 +  \sqrt{24} $ ←【例題2-1】参照

 

ここで

$ $ $16<24<25$

$ $ $ \sqrt{16} < \sqrt{24} < \sqrt{25} $

$ $ $ 4 < \sqrt{24} < 5 $

$ $ $ 4 < 2 \sqrt{6} < 5 $

それぞれの辺に $5$ を足して

$ $ $ \color{red}{9} < 5 + 2 \sqrt{6} < 10 $

数直線で表すと

5+2√6

よって、$ 5 + 2 \sqrt{6} $ の

・整数部分は $  \color{red}{9}$

・小数部分は $ x = \left( 5 + 2 \sqrt{6} \right) −\color{red}{9} = 2 \sqrt{6} −4 $

 

ゆえに

$ x^2 + 8x −20 $

$ = (x + 10) (x −2) $

$ = \left( 2 \sqrt{6} −4 + 10 \right) \left( 2 \sqrt{6} −4 −2 \right) $($x$ を代入)

$ = \left( 2 \sqrt{6} + 6 \right) \left( 2 \sqrt{6} −6 \right) $

$ = \left( 2 \sqrt{6} \right)^2 −6^2 $ ← 展開の公式 $ (x+y)(x−y) = x^2 − y^2 $ を利用

$ = 24 −36 $

$ = −12 $

【問題4】$ \sqrt{n} $ の整数部分が $3$ となるような自然数 $n$ の値は何個あるか答えなさい。

いよいよラストです。

もし整数部分で困ったら、とりあえず数直線をかいて考えましょう。

【解答・解説】を見る
【解答】$ 7 $ 個

【解説】

$ \sqrt{n} $ の整数部分が $3$ なので

$ $ $ \color{red}{3} ≦ \sqrt{n} < 4 $

3≤√n<4

つまり

$ $ $ \sqrt{9} ≦ \sqrt{n} < \sqrt{16} $

ルートの中身だけ見ると

$ $ $ 9 ≦ n < 16 $

これを満たす $n$ の値は

$ $ $ n = 9, 10, 11, … 15 $

よって、その個数は

$ $ $ 15 − 9 + 1 = 7 $(個)

 

(注)整数 $A$〜$B$ までの個数は
「$ B− A + 1 $(個)」

おしり − 頭 + 1(個)

と覚える!

最後に

最後にまとめです。

平方根(ルート○○)の整数部分、小数部分を求める問題」を解くときは

$ $ 数直線をかく

のがオススメ!

「平方根(ルート○○)が自然数となるn」の求め方

$ \sqrt{28n} $ が自然数となるような、最も小さい自然数 $n$ の値を求めなさい。

のようなパターンの問題の解き方をマスターしたい人はこちら。

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