【解と係数の関係】2次・3次方程式が虚数解をもつパターンの問題を徹底解説!

2次方程式・3次方程式が虚数解をもつパターンの問題で「解と係数の関係」をどう使ったらいいの?

解き方をわかりやすく教えてほしい!

こういった要望に応えます。

 

2次方程式・3次方程式が 虚数解 をもつパターンの問題は、「解と係数の関係」を使うとラクに解けることが多いです。

定期テストや大学入試でよく出るタイプの問題を使いながら、わかりやすく解説します。

【解と係数の関係】2次方程式が虚数解をもつ問題

問題に入る前に、まずは「2次方程式の解と係数の関係」のおさらいです。

2次方程式 $ ax^2 + bx + c = 0 $ の 2解 を $\alpha , \ \beta $ とすると

$ \begin{cases}
\displaystyle{ 和: \alpha + \beta = \color{red}{−}{ b \over a } } \enspace \color{red}{←(−)に注意!} \\
\\
\displaystyle{ 積: \alpha \beta = { c \over a } } \\
\end{cases}$

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【例題1-1】$2$ 次方程式 $ x^2 − 2x + a = 0 $ が 虚数解 $ 1 + 3i $ をもつとき、実数 $ a $ の値と他の解を求めよ。

この問題を解く上でポイントとなるのが「共役(きょうやく)な複素数」です。

係数が実数の方程式(2次以上)が虚数解 $a+bi$ をもつとき、共役な複素数 $a \color{red}{−}bi$ も解である。

この性質を知っていると、ラクに解くことができます。

問題文に「実数 $ a $」とあることから、係数がすべて実数とわかるので利用できますね。

【解答】を見る

【解答】

$ x^2 − 2x + a = 0 $ が 虚数解 $ 1 + 3i $ をもつので、共役な複素数 $ 1 \color{red}{−} 3i $ も解にもつ。

解と係数の関係より

$ \begin{cases}
\displaystyle{ ( 1 + 3i ) + ( 1 − 3i ) = −(−2) } \\
\\
\displaystyle{ ( 1 + 3i ) ( 1 − 3i ) = a } \\
\end{cases}$

∴ $ a = 1 − 9i^2 = 10 $

よって $ a = 10,$  他の解は  $ 1 − 3i $

この解法パターンはぜひ覚えておきましょう!

 

もし「共役な複素数」を使わずに解くとすると、下のような 別解 になります。

【別解】を見る

【別解】

$ x^2 − 2x + a = 0 $ ・・・①

① に $ x = 1 + 3i $ を代入して

$ $ $ (1 + 3i)^2 − 2(1 + 3i) + a = 0 $

∴ $ 1 + 6i −9 − 2 −6i + a = 0 $

∴ $ a = 10 $

これを ① に代入して

$ $ $ x^2 − 2x + 10 = 0 $

∴ $ x = 1 \pm 3i $

よって $ a = 10,$  他の解は  $ 1 − 3i $

【例題1-2】$2$ 次方程式 $ x^2 − (a− i)x + 3(2a+i) = 0 $ が 虚数解 $ 2 − i $ をもつとき、実数 $ a $ の値と他の解を求めよ。

比較のために、この問題もやっておきましょう。

係数が実数でない」パターンです。

残念ながら今回は【例題1-1】のように「共役な複素数」は利用できませんね。

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【解答】

他の解を $\alpha$ とおくと、解と係数の関係より

$ \begin{cases}
\displaystyle{ ( 2 − i ) + \alpha =  a− i } \enspace \cdots ① \\
\\
\displaystyle{ ( 2 − i ) \alpha = 3( 2a + i ) } \enspace \cdots ② \\
\end{cases}$

① より、$ a = 2 + \alpha $

$ a $ が実数より、$ \alpha $ も実数。

② に代入して、$ ( 2 − i ) \alpha = 3( 4 + 2 \alpha + i ) $

∴ $ 2 \alpha − \alpha i = 12 + 6 \alpha + 3 i $

$ \alpha $ が実数より

$ $ $ 2 \alpha = 12 + 6 \alpha $ かつ $ − \alpha = 3 $ ・・・(注)

∴ $ \alpha = −3 $

∴ $ a = 2 + \alpha = −1 $

よって $ a = −1 , $  他の解は $ −3 $

(注)$ a, b, c, d $:実数のとき

$ $ $ a + bi = c + di $ ならば $ a = c , \ b= d $

 

人によっては、解と係数の関係を使うと、かえってまどろっこしく感じるかもしれません。

というわけで、初めに $ x = 2 − i $ を代入する 別解 も書いておきます。

【別解】を見る

【別解】

$ x^2 − (a− i)x + 3(2a+i) = 0 $ ・・・①

① に $ x = 2 − i $ を代入して

$ $ $ (2 − i)^2 − (a− i)(2 − i) + 3(2a + i) = 0 $

∴ $ (4 − 4i − 1) − (2a −2i − ai −1) + 6a + 3i = 0 $

∴ $ 4 +4a + (1 + a)i = 0 $

$ a $ が実数より

$ $ $ 4 + 4a = 0 $ かつ $ 1 + a = 0 $

∴ $ a = −1 $

 

① に代入して

$ $ $ x^2 + (1 + i)x + 3(−2+i) = 0 $

∴ $ ( x + 3 ) ( x −2 + i ) = 0 $

∴ $ x = −3 , \ 2 − i $

 

よって $ a = −1 , $  他の解は $ −3 $

いずれにせよ、「係数が実数でない」パターンでは「共役な複素数」は使えないので注意しましょう。

【解と係数の関係】3次方程式が虚数解をもつ問題

次に、3次方程式が虚数解をもつパターンの問題です。

3次方程式の解と係数の関係」を簡単におさらいしておきましょう。

3次方程式 $ ax^3 + bx^2 + cx + d = 0 $ の 3つの解 を $ \alpha, \ \beta, \ \gamma $ とすると

$ \begin{cases}
\displaystyle{ \alpha + \beta + \gamma = \color{red}{−}{ b \over a } } \\
\\
\displaystyle{ \alpha \beta +  \beta \gamma + \gamma \alpha = { c \over a } } \\
\\
\displaystyle{ \alpha \beta \gamma = \color{red}{−}{ d \over a } } \\
\end{cases}$

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これを使って問題を解いてみます。

【例題2】$3$ 次方程式 $ x^3 − 3x^2 + ax + b = 0 $ が 虚数解 $ 1 + i $ をもつとき、実数 $a , \ b $ の値と他の解をすべて求めよ。

虚数解 $ x = 1 + i $ を この3次方程式に代入するのは、ちょっと気が進みませんね。

この問題は、「共役な複素数」と「解と係数の関係」を利用するのが一番ラクな解法です。

【解答】を見る

【解答】

$ x^3 − 3x^2 + ax + b = 0 $ が 虚数解 $ 1 + i $ をもつので、共役な複素数 $ 1 \color{red}{−} i $ も解にもつ。

残りの解を $ \alpha $ とおくと、解と係数の関係より

$ \begin{cases}
(1 + i) + (1 − i) + \alpha = −(− 3) \enspace \cdots ① \\
\\
(1 + i)(1 − i) +  (1 − i) \alpha + \alpha (1 + i) = a \enspace \cdots ② \\
\\
(1 + i) (1 − i) \alpha = −b \enspace \cdots ③ \\
\end{cases}$

① より、$ \alpha = 1 $

②、③ に代入して、$ a = 4 , \ b = −2 $

よって、他の解は $1 − i, \ 1 $ ・・・(注)

(注)$\alpha = 1 $ だけでなく、共役な複素数 $ 1 − i $ も忘れずに!

 

もし「解と係数の関係」を使わずに解きたいなら「因数定理」を使いましょう。

整式 $P(x)$ において、$ P(a) = 0 $ ならば

$P(x)$ は $(x-a)$ を因数にもつ。

(つまり、$(x-a)$ で割り切れる)

$ P(x) = (x-a) Q(x) $ のような形に因数分解できるということですね。

【別解】を見る

【別解】

$ x^3 − 3x^2 + ax + b = 0 $ ・・・①

① が 虚数解 $ 1 + i $ をもつので、共役な複素数 $ 1 \color{red}{−} i $ も解にもつ。

よって、① は $ \{ x − ( 1 + i ) \} \{ x − ( 1 − i ) \} $ を因数にもつ。・・・② (注)

 

$ \{ x − ( 1 + i ) \} \{ x − ( 1 − i ) \} $

$ = x^2 − ( 1 + i )x − ( 1 − i )x + ( 1 + i ) ( 1 − i ) $

$ = x^2 − 2x + 2 $

① の左辺 を $x^2 − 2x + 2$ で割ると

$ x^3 − 3x^2 + ax + b $ $ = \left( x^2 − 2x + 2 \right) \underbrace{ ( x − 1 ) }_{商} + \underbrace{ ( a−4 )x + b+2  }_{余り} $

② より、余り $0 $  なので

$ $ $a−4 = 0 , \ b+2 = 0 $

∴ $ a = 4 , \ b = −2 $

このとき、① は

$ \left( x^2 − 2x + 2 \right) ( x − 1 ) = 0 $

∴ $ x = 1 \pm i, \ 1 $

 

以上より、$ a = 4 , \ b = −2 $

他の解は $1 − i, \ 1 $

(注)① は $ \{ x − ( 1 + i ) \} \{ x − ( 1 − i ) \} $ で割り切れる、ということ。

このやり方でも解けるようにしておきましょう!

「$4$ 次以上の方程式が虚数解をもつパターンの問題」にも対応できるようになります。

 

以上です。お疲れ様でした!

最後に

2次方程式・3次方程式が虚数解をもつパターンの問題を解く上で、重要なポイントはこちら。

係数が実数の方程式(2次以上)が虚数解 $a+bi$ をもつとき、共役な複素数 $a \color{red}{−}bi$ も解である。

この性質と「解と係数の関係」や「因数定理」を組み合わせるとラクに解くことができます。

 

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