室町時代で中学のテストによく出るポイントをまとめてほしい!
室町時代の出来事・年号をなかなか覚えれられない・・・
サクッと覚えやすい語呂合わせを知りたい!
今回の記事は、こういった要望に答えます。
この記事を読めば、
- 室町時代でおさえるべきポイント4つ
- 室町時代の重要な出来事・年号+語呂合わせ
- 室町時代の文化のポイント
がスッキリ分かります。
なお、室町時代の前の「鎌倉時代」はこちら。
鎌倉時代で中学のテストによく出るポイントをまとめてほしい! 鎌倉時代の出来事・年号をなかなか覚えれられない・・・ サクッと覚えやすい語呂合わせを知りたい! 今回の記事は、こういった要望に答えます。 こ[…]
室町時代のポイント4つ!
室町時代 [1338〜1573年] は「権力の移り変わり」によって4つに分けられます。
- 後醍醐天皇(建武の新政)
- 南北朝時代
- 足利氏(室町幕府)
- 戦国時代
それでは、室町時代の流れを見ていきましょう。
室町時代① 後醍醐天皇(建武の新政)
※ 写真:後醍醐天皇(Wikipediaより)
1333年に足利尊氏らが鎌倉幕府を倒すと、翌年、後醍醐天皇(ごだいごてんのう)は京都で新たな政治を始めました。
この政治を 建武の新政 と言います。
1334年 建武の新政
【覚え方】鎌倉幕府 滅亡(1333年)の 1年後
ところが、後醍醐天皇はこれまでの武士の政治を否定し、天皇中心の政治を行なったため、武士からの反感を買うことになりました。
その結果、2年余りで建武の新政は終わりました。
室町時代② 南北朝時代
足利尊氏は 光明天皇(こうみょうてんのう)を京都に立てると、後醍醐天皇が吉野(奈良県)に逃げたことで、二人の天皇(朝廷)が同時に立つという状況になってしまいました。
- 北朝(京都):光明天皇
- 南朝(奈良):後醍醐天皇
【覚え方】
南朝(なんちょう)=奈良(なら)
→ 逃げた方が、後醍醐天皇
これにより、1336〜1392年まで南北朝の対立が続きます。
1336年 南北朝時代が始まる
【覚え方】
建武の新政(1334年)の 2年後 /
室町幕府 開始(1338年)の 2年前
朝廷が南北朝の2つに分かれた状態のまま、
足利尊氏は征夷大将軍に任命され、京都に 室町幕府 を開きました。
1338年 足利尊氏が征夷大将軍になる
【覚え方】いざ山野(さんや)に開く
京都は山に囲まれた盆地。そこに幕府を開いたということです。
ここから、室町時代 [1338〜1573年] がスタートしました。
3代将軍 足利義満 が、勢力を失っていた南朝に北朝と合体することを提案したことで、南北朝が統一されました。
1392年 南北朝を統一
【覚え方】いざ国(くに) ひとつに
室町時代③ 足利氏(室町幕府)
※ 写真:足利尊氏(Wikipedaより)
室町幕府は、将軍の補佐役として 管領(かんれい)を置きました。
※ 鎌倉幕府の補佐役:執権(しっけん)
尊氏は全国の武士をまとめるため、国ごとに置かれた守護に強い権力を与えました。
守護は、領地内の武士を家臣として一国を支配する 守護大名 へと成長していきました。
日明貿易
※ 写真:勘合(Wikipediaより)
この頃、中国では元が滅んで 明 が建国されました。
明は、中国大陸の沿岸や朝鮮半島を荒らす日本人中心の海賊(倭寇)に手を焼いており、日本に倭寇の取り締まりを求めてきました。
これを明と国交を開くいい機会と見た 3代将軍 足利義満 は、明との間で 日明貿易 を始めました。
1404年 日明貿易(勘合貿易)が始まる
【覚え方】
意地(いじ)は ゼロよ
明は、従属国が貢ぎ物をもってくるのに対して返礼品を与えるという 朝貢貿易 の形しか認めませんでした。
義満は意地やプライドよりも、自国の利益を取ったというわけです。
日明貿易では、勘合(かんごう)という札を明と日本で2つに分けることで「日本の正式な貿易船と倭寇を区別」しました。
日本からは刀剣や銅、まき絵などを輸出し、明からは 明銭、生糸、絹織物などを輸入しました。
銭の流通によって、日本の経済が活発になっていきました。
琉球王国と蝦夷地
※ 写真:首里城(Wikipediaより)
14世紀、沖縄では北山、中山、南山の3つに勢力が分かれ、明と朝貢貿易を始めました。
中山王の 尚氏(しょうし)は、北山と南山を滅ぼして沖縄を統一して、琉球王国(首都:首里)を建てました(1429年)。
琉球王国は、日本や中国、朝鮮半島、東南アジアと交易を行う 中継貿易(なかつぎぼうえき)で大きな利益を出しました。
また、蝦夷地(北海道)では、原住民の アイヌ民族 が漁業・狩猟・採集中心の生活を営んでいました。
本州の人々(和人)が蝦夷地に移り始めると、アイヌ民族の生活が苦しくなったため、15世紀半ば、首長コシャマインが反乱を起こしました。
コシャマインの反乱は和人によって鎮められ、より強く支配されることになりました。
農村・商業の発展
室町時代の農村では、惣(そう)と呼ばれる村の自治組織が生まれました。
農業技術も発展し、水車や用水路を用いたかんがい技術が進み、米・麦などの二毛作が広がり、肥料には牛馬のふんなどが使われたことで農作物の収穫が増えていきました。
手工業では、西陣(京都)の絹織物や、陶器、酒、油などの特産物が生産されるようになりました。
惣村が力をつけてくると、村どうしが協力して、領主に年貢を減らすように要求しておしかけるようになりました。
これを 一揆(いっき)と言います。
室町時代の一揆としては、
- 正長の土一揆(1428年):近江の馬借(馬による運送業者)の一揆を発端にして、京都近郊の農民が徳政(借金帳消し)を求めて土倉や酒屋を襲った
- 山城の国一揆(1485年):山城(京都府)で武士と農民が守護大名の畠山氏を倒した
- 加賀の一向一揆(1488年):加賀(石川県)で一向宗(浄土真宗)の信者たちが守護を倒して、約100年自治を行った
を覚えておきましょう。
また、商工業者は 座 と呼ばれる同業者組合を作り商品を独占的に製造・販売する権利を与えられ、土倉 や 酒屋 が高利貸しを始めました。
室町文化
室町文化は 北山文化 と 東山文化 の2つ。
それぞれ次のような特徴があります。
北山文化
※ 写真:金閣(足利義満が建立)
北山文化 は、3代将軍 足利義満 の頃の「武士と貴族、禅宗の文化を融合したもの」です。
- 金閣(鹿苑寺):義満が京都の北山に建てた、寝殿造+書院造の建物
- 能(能楽):観阿弥・世阿弥 親子が、猿楽・田楽などの芸能をもとに大成した
- 狂言:能の合間に披露される風刺のきいた喜劇
東山文化
※ 写真:銀閣(足利義政が建立)
東山文化 は、8代将軍 足利義政 の頃の「禅宗の影響を受けた質素で気品のある文化」です。
- 銀閣(慈照寺):義政が京都の東山に建てた、書院造の建物
- 水墨画:墨一色で自然などを表現。雪舟 が大成した
- 書院造:銀閣などに見られる床の間に書画や生花を飾る様式
- 御伽草子(おとぎぞうし):『一寸法師』『浦島太郎』など
室町時代④ 戦国時代
戦国時代は応仁の乱(1467年)から始まり、鉄砲伝来(1543年)、室町幕府の滅亡(1573年)へと向かっていきます。
応仁の乱
※ 写真:「応仁の乱」の様子(Wikipediaより)
8代将軍 足利義政 の後継者争いが発端となり、管領の 細川氏 と、守護大名の 山名氏 が対立を始め、京都で大規模な戦乱が起こりました。
これを 応仁の乱(おうにんのらん)と言います。
1467年 応仁の乱
【覚え方】人の世 むなしい 応仁の乱
応仁の乱をきっかけに、「身分が下の者が上の者を倒す」という 下剋上 の世の中 戦国時代 に突入しました。
守護大名が力をつけて 戦国大名 となり、城の周りに商工業者を呼び集めて 城下町 を作るようになりました。
また、自分の領地独自の決まりである 分国法 を定めて、町を発展させていきました。
鉄砲伝来
※ 写真:種子島火縄銃(Wikipediaより)
1543年、ポルトガル人を乗せた倭寇の船(中国船)が 種子島(鹿児島県)に流れ着いて、鉄砲が伝わりました。
1543年 鉄砲伝来
【覚え方】以後予算(いごよさん)が大変 鉄砲伝来
尾張(愛知県)の戦国大名 織田信長 が、この鉄砲(火縄銃)に早くに目をつけて、鉄砲隊を編成したと言われています。
また、イエズス会の宣教師 フランシスコ・ザビエル(スペイン)が鹿児島に上陸し、キリスト教を伝えました。
1549年 キリスト教伝来
【覚え方】以後よく広まる キリスト教伝来
1543年の鉄砲伝来以降、日本はポルトガルとの交易を盛んに行いました。
九州の平戸・長崎などの港で、ポルトガルから中国産の 生糸 や絹織物などを輸入し、日本からは 石見銀山(島根県)でとれた 銀 や刀剣などを輸出しました。
ポルトガル人、スペイン人は 南蛮人 と呼ばれていたので、これを 南蛮貿易 と言います。
室町幕府の滅亡
尾張(愛知県)の 織田信長 が、鉄砲隊の活躍により、駿河(静岡県)の今川義元を 桶狭間の戦い(1560年)で破ると、
15代将軍 足利義昭(よしあき)を利用して京都に入りました。
信長は自分に従わなかった比叡山延暦寺を焼き討ちしたり、越前(福井県)や伊勢(三重県)の一向一揆を鎮めて、次々と支配を広げていきました。
こういった仏教勢力に対抗するためにキリスト教を保護しました。
さらに、将軍 足利義昭を京都から追放して、室町幕府を滅ぼしました。
1573年 室町幕府が滅亡
【覚え方】
以後(いご) 涙(なみだ)に暮れる
こうして室町時代が終わり、安土桃山時代 [1573〜1603年] が幕を開けます。
室町時代のまとめ
最後に、室町時代 [1338〜1573年] の流れをまとめておきます。
- 後醍醐天皇(建武の新政):2年あまりで終わる
- 南北朝時代:北朝(京都)と南朝(吉野)→ 足利義満が統一
- 足利氏(室町幕府):日明貿易 → 惣村の発展 → 一揆
- 戦国時代:応仁の乱、鉄砲伝来、室町幕府の滅亡
室町時代が終わり、次は 安土桃山時代 [1573〜1603年] です。
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