1次関数 y = ax + b の変域の求め方がよく分からない!
いつも yの変域を間違えて答えちゃうんだけど、なんでだろう?
どうやって解いたら 1次関数 y = ax + b の変域がちゃんと出るの?
こういった疑問に答えます。
このページを読めば、例えば
のような「1次関数 y = ax + b の変域を求める問題」がスラスラ解けるようになります。
- 1 1次関数 y = ax + b のグラフ
- 2 変域(へんいき)とは?
- 3 1次関数 y = ax + b の変域の求め方【ポイント】
- 4 1次関数 y = ax + b の変域の求め方【練習問題】
- 4.1 【問題1】2次関数 $ y = −2x + 5 $ について、$x$ の変域が $−2≦x≦4$ のときの $y$ の変域を求めなさい。
- 4.2 【問題2】1次関数 $ y = −2x + b \enspace (−1≦x≦2)$ について、$y$ の最小値が $−1$ のとき、定数 $b$ の値を求めなさい。
- 4.3 【問題3】$a$ が負の数である1次関数 $ y = ax + 3 $ について、$x$ の変域が $−1≦x≦2$ のとき、$y$ の変域は $−1≦x≦5$ であった。このとき、$a$ の値を求めなさい。
- 4.4 【問題4】2点 $A(1, 7)$, $B(6, -2)$ がある。1次関数 $ y = ax + 2 $ と線分$AB$が共有する点を持つように、$a$ の値の範囲を求めなさい。
- 5 最後に
- 6 比例のグラフの傾き(変化の割合)
1次関数 y = ax + b のグラフ
1次関数 y = ax + b のグラフ のおさらいです。
1次関数 y = ax + b は
$ \begin{cases}
傾き a \\
\\
切片 b \\
\end{cases}$
の直線です。
傾き a
1次関数における「傾き(変化の割合)」は簡単に言うと「グラフの進み方」です。
右に ○ 進んで、上・下に △ 進む 直線
→ 傾き(変化の割合)は $\displaystyle{ △ \over ○ }$ $\left( \displaystyle{ 上 \over 右 } \right)$
Point:傾き a の符号(プラス・マイナス)によって、グラフの進み方(右上がり・右下がり)が変わる
✔︎ a>0(プラス)のとき
右上がりの直線
例:$\displaystyle{ y = \color{red}{ 3 \over 2 }x + 1 }$
- 右に「$\color{red}{2}$」進んで
- 上に「$\color{red}{3}$」進む
→ 傾きは $ \displaystyle{ \color{red}{3} \over \color{red}{2} } $
✔︎ a<0(マイナス)のとき
右下がりの直線
例:$\displaystyle{ y = \color{blue}{ −{ 3 \over 2 } }x + 1 }$
- 右に「$\color{red}{2}$」進んで
- 下に「$\color{blue}{−3}$」進む
→ 傾きは $ \displaystyle{ {\color{blue}{−3} \over \color{red}{2} } = −{3 \over 2} } $
切片 b
「切片」は、「グラフと $y$ 軸との交点の $y$ 座標」のことを言います。
例えば、ある直線が $y$ 軸と 点$(0,2)$ で交わっている場合
切片は「$2$」になります。
1次関数のグラフの書き方
1次関数のグラフの書き方(手順)は、以下の通り。
- 切片をとる
- 傾きをとる
- 直線をひく
例えば、1次関数 $\displaystyle{ y = { 3 \over 2 }x − 5 }$ のグラフを書いてみましょう。
① 切片をとる
切片は $− 5 $ なので、$y$ 軸と点$(0, −5)$ で交わる。
② 傾きをとる
傾きは $ \displaystyle{ \color{red}{3} \over \color{red}{2} } $ なので
- 右に「$\color{red}{2}$」進んで
- 上に「$\color{red}{3}$」進む
③ 直線をひく
これで1次関数のグラフが完成です。
変域(へんいき)とは?
変域(へんいき)とは、ひとことで言えば「変数( $\color{red}{x, y}$ など)が動く範囲」のことです。
【例1】$x$ の変域が $−1≦x≦2$
「$−1≦x≦2$」は「$x$は $−1$以上 $2$以下」という意味で、
数直線($x$軸)で表すと
$x$は赤色の部分しか動けないということ。
【例2】$y$ の変域が $0≦y≦4$
「$0≦y≦4$」は「$y$は $0$以上 $4$以下」という意味で、
数直線($y$軸)で表すと
$y$は赤色の部分しか動けないということ。
1次関数 y = ax + b の変域の求め方【ポイント】
「1次関数 y = ax + b の変域の求め方」のポイントは
$ $ 簡単なグラフをかく
ということです。
【例3】1次関数 $y=2x − 3$ について、$x$ の変域が $−3≦x≦5$ のときの $y$ の変域は?
具体的な解き方を説明します。
① 1次関数のグラフを点線でかく
② $x$ の変域「$−3≦x≦5$」を $x$軸にとる
③ $x$ の範囲をグラフにとる
④ 高さ($y$座標)が最大・最小の点を読み取る
⑤ $y$ の変域は「$ \color{blue}{−9}≦y≦\color{red}{7} $」
こんな感じでグラフをかくと、正しい答えが導けます。
1次関数 y = ax + b の変域の求め方【練習問題】
1次関数 y = ax + b の変域の求め方 が分かったところで、学校のテストや高校入試でよく出るパターンの問題も解いてみましょう。
【問題1】2次関数 $ y = −2x + 5 $ について、$x$ の変域が $−2≦x≦4$ のときの $y$ の変域を求めなさい。
実際に簡単なグラフをかいて、高さ($y$座標)が最大・最小の点を読み取ってみましょう。
- 【解答・解説】を見る
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【解答】$ −3≦y≦9 $
【解説】
簡単なグラフをかくと
高さが最大・最小の点を読み取ると
$ $ $ \color{blue}{−3}≦y≦\color{red}{9} $
【問題2】1次関数 $ y = −2x + b \enspace (−1≦x≦2)$ について、$y$ の最小値が $−1$ のとき、定数 $b$ の値を求めなさい。
傾きが $−2$ より、右下がりの直線であることをヒントに解いていきます。
- 【解答・解説】を見る
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【解答】$ b = 3 $
【解答】
簡単なグラフをかくと
右下がりの直線なので、$x=2$ のとき 最小値 $y = \color{blue}{−1} $ をとります。
つまり、点$(2, \color{blue}{−1} )$ を通るということです。
$ y = −2x + b$ に代入すると
$ −1 = −2×2 + b$
$ b = 3 $
【問題3】$a$ が負の数である1次関数 $ y = ax + 3 $ について、$x$ の変域が $−1≦x≦2$ のとき、$y$ の変域は $−1≦x≦5$ であった。このとき、$a$ の値を求めなさい。
- 【解答・解説】を見る
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【解答】$ a = −2$
【解説】
傾き $a$ が負の数なので、右下がりの直線。
よって、2点$(−1, 5)$、$(2, −1)$ を通ります。
簡単なグラフをかくと
$ y = ax + 3 $ に 点$(−1, 5)$ を代入すると
$ 5 =− a + 3 $
$ a = −2$(負の数より適する)
【問題4】2点 $A(1, 7)$, $B(6, -2)$ がある。1次関数 $ y = ax + 2 $ と線分$AB$が共有する点を持つように、$a$ の値の範囲を求めなさい。
最後は変域の問題ではないですが、テストによく出るパターンの問題 なのでやっておきましょう。
- 【解答・解説】を見る
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【解答】$ \displaystyle{ − {2 \over 3}≦a≦5 }$
【解説】
1次関数 $ y = ax + 2 $ は、傾き $a$、切片 $2$ の直線。
これと線分$AB$が共有する点を持つときというのは、例えば
こんな感じです。
なので、傾き $a$ が「最大になるとき」と「最小になるとき」の2つに分けて考えます。
$ $[1] 傾き $a$ が 最大になるのは 点$A(1, 7)$ を通るとき。
$ y = ax + 2 $ に $A(1, 7)$ を代入して
$ $ $ 7 = a + 2 $
$ $ $ a = 5 $
$ $[2] 傾き $a$ が 最小になるのは 点$B(6, −2)$ を通るとき。
$ y = ax + 2 $ に $B(6, −2)$ を代入して
$ $ $ −2 = 6a + 2 $
$ $ $ \displaystyle{ a = − {2 \over 3} }$
$ $[1]、[2] より
$ $ $ \displaystyle{ − {2 \over 3}≦a≦5 }$
以上です。お疲れ様でした!
最後に
最後にまとめです。
「1次関数 y = ax + b の変域の求め方」のポイントは
$ $ 簡単なグラフをかく
ということ。
今回紹介した問題は、学校のテストや高校入試でもよく出るパターンばかりです。
しっかり復習しておきましょう!
比例のグラフの傾き(変化の割合)
1次関数の傾き(変化の割合)は、比例のグラフと同じ考え方ですね。
比例のグラフのかき方、読み取り方がよくわからない 比例定数って何なのかイマイチわからない 直線の傾き、変化の割合と言われてもピンと来ない こういった悩みを持っている人に向けて、この記事を書きました。 「比例とは何か?」から始[…]
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